ナルドの香油

あなたは私の隠れ場(詩篇32:7)

心の癒しと解放を グレース・トキ③ 苦い根と赦さないこと 

 

今回は、私たちの心に根を張る「苦い根」と「赦さないこと」についてお話したいと思います。

【負の感情が繰り返す】

言うまでもなく根には栄養分を吸収する働きがあります。私たちが天の父なる神の愛に根ざしているなら、良い実を結ぶための栄養を吸収します。しかし私たちが赦さない思いや怒り、恥などの種を心に蒔くと、そこから苦い根が生え、悪い実を結びます。そして種を蒔いた本人だけでなく、他の人をも裁き、汚します。リンゴの種がパイナップルをならせることはないのです。

マタイ7:17-18にこうあります。「良い木はみな良い実を結ぶが、悪い木は悪い実を結びます。良い木が悪い実をならせることはできないし、悪い木が良い実をならせることもできません」

私たちが良い種を蒔けば良い収穫を刈り取ることができるように、「苦い根」にもまた、同様の「刈り取りの法則」が働きます。私たちは常に、自分が蒔いたものを刈り取るのです。

ガラテヤ6章 

:7 思い違いをしてはいけません。神は侮られるような方ではありません。人は種を蒔けば、その刈り取りもすることになります。

:8 自分の肉のために蒔く者は、肉から滅びを刈り取り、御霊のために蒔く者は、御霊から永遠のいのちを刈り取るのです。

 苦い根からは多くの場合「裁き」の実を刈り取ります。自分を傷つけた相手を赦さないでいると、苦い根が広がり、相手を裁きます。そして人々から同じように裁かれ、傷付けられることになります。

ローマ2章

:1 ですから、すべて他人をさばく人よ。あなたに弁解の余地はありません。あなたは、他人をさばくことによって、自分自身を罪に定めています。さばくあなたが、それと同じことを行なっているからです。

:2 私たちは、そのようなことを行なっている人々に下る神のさばきが正しいことを知っています。

「苦い根」は人や神様からの愛をも妨げます。また「苦い根」に支配された人は、何かがあるといつも悪い方向に予想する習慣が身についています。自分の心の中に「苦い根」があるかどうかは、鬱や怒り、パニック、恐れ、心配などの「負の感情」が繰り返して起こるかどうかで分かります。人間関係に現れる場合もあります。なぜか自分に害を加える人に近寄ってしまうのです。あるいは、知り合った人がしばらくすると自分から離れていきます。

【復讐の権利を捨てて】

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イラストを見て下さい。誰かを「赦さない」と思っていることは、ゴミの詰まった袋を抱えて歩くようなものです。だからハエ(負の感情や人間関係のトラブル)がたかります。「ハエが去っていくように」と祈っても、ゴミの袋を持ったままならハエは必ず戻ってきます。この人の後ろにいるのは悪霊です。「赦さないこと」を引きずっていると悪霊が大きな機会を与えます。悪霊は私たちをとがめ、恥を植えつけます。レイプ、虐待、殺人・・・。世の中には、本当に多くの不条理があります。しかし、私たちが自分を正当化したり、頑固だったり、プライドが邪魔をすると、私たち自身に害を加えるのです。

私たちを傷つけた人は、そのことを忘れているかもしれない。自覚していないかもしれない。しかし、私たちが「あの人を赦せない」と思うたび、手に持った鞭で自分の背中を叩いてしまっているのです。そして「自分を守らなければ」と自分の周囲の壁を築いてしまいます。その壁はあなたを守るのでなく、人生に破壊をもたらすのです。もしあなたが自分や相手を赦さないでいると、これから先の幸福も妨げられます。

愛、喜び、平和の実を結ぶ代わりに落胆、失望、悲しみの実を結びます。おろかな口論や無益な分裂の元にもなります。

私たちが赦したと思っていても、実際には心の奥底に苦々しい気持ちを持ったままでいることがあるかもしれません。神様に明らかにして頂きましょう。

「赦す」ことが、あなたの心からの苦々しさを解き放つ鍵となります。感情が破裂する前に、あなたの痛みを主に捧げて下さい。主が赦して下さったように、赦してください。報復する権利を捨てましょう。復讐は何の解決にもなりません。神様が取り計らって下さいます。

 ローマ12章

:17 だれに対してでも、悪に悪を報いることをせず、すべての人が良いと思うことを図りなさい。

:18 あなたがたは、自分に関する限り、すべての人と平和を保ちなさい。

:19 愛する人たち。自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。それは、こう書いてあるからです。「復讐はわたしのすることである。わたしが報いをする、と主は言われる。」

 「忘れなさい」と言っているのではありません。それは、心の奥底に押し込んでいるだけです。神様の望む自由な人生を生きるために、前進しましょう。私たちには大切な神の召しがあります。

第一回目に書きました。心のいやしには4つのプロセスがあります。

①認識 ②悔い改め ③告白 ④赦し

です。

あなたの中に「苦い根」や「赦せない心」があると認識したら、今、一緒に祈りを捧げましょう。

神様、私の心には痛みがあります。「苦い根」に支配されていたこと、「赦せない心」を握りしめていたこと、この痛みのために多くの人に害を与えてしまったことを悔い改めます。そしてあなたに委ねます。主よ、私の心を清め、私に害を与えた人を赦せるように助けてください。