ナルドの香油

あなたは私の隠れ場(詩篇32:7)

不安は悪いもの?

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アポロに乗って月へ行った宇宙飛行士のジム・アーウィンは、月の近くから見た地球の印象を「今にも壊れそうな、実に頼りないものに見えた」と言ったそうである。
地球からはるかに離れた宇宙のただ中から見た地球は、ジム・アーウィンにとっては、ちょうど自分の姿を見るようなものだっただろう。
 
この宇宙飛行士は、不安を持ちながら月に降り立った時に、
だれもいないはずの自分の後方から、はっきりと一つの声を聞いたという。
その声はこう告げていた。
 
『わたしはここにいる』
 
彼はこの声を、否定しようもないほどはっきり聞いたと証言している。
今、ジム・アーウィンは伝道者となって、神の愛を世界中で伝えているそうである。
私はこの話を聞いて考えた。もし、ジム・アーウィンに、あの地球の頼りなさを実感して不安になるという経験がなかったなら、果たして彼の耳に
『わたしはここにいる』という声は聞こえたであろうか。
この答はまだわからない。
しかしただ一つ言えることは、心の病(ノイローゼ、精神病)の共通した要素である
「不安」は、決して一方的に悪いものではないということである。
それは、神の声を聞くための準備にもなり得る、人間だけに与えられた贈り物かもしれない。
 
【心の健康診断  古川 第一郎著  まえがきより】